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ボリショイ劇場 デシャトニコフ氏が新音楽監督に就任

 
29.09.2009, 12:55
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 モスクワが世界に誇るボリショイ劇場の音楽監督に、サンクト・ペテルブルグ出身の有名な作曲家レオニード・デシャトニコフ氏が選ばれました。
 今回の指名はデシャトニコフ自身にとってまったく予期せぬことで、「とても驚いた」と打ち明けています。デシャトニコフ氏は、新たなシーズンが幕を開けた9月22日、音楽監督に就任しました。
 ボリショイ劇場の音楽監督に、指揮者ではなく、作曲家が選ばれるのは、ボリショイ始まって以来初めてのことです。理由はどうであれ、これで音楽監督は指揮者でなければならないというステレオタイプは払拭されました。
 レオニード・デシャトニコフ氏がこれほど高いポストに就くのも初めてのこと。というのも、これまで彼は役職や出世よりも、自由な創作活動というものを重視していたからです。音楽監督に就任したことについて、デシャトニコフ氏本人は次のように話しています。
 ―私は音楽監督ではありませんが、長年にわたって、これまで自分自身の人生ともつながりの深かったボリショイ劇場には深い恩を感じています。今のこの時代に選ばれる音楽監督というのは、「危機対策マネージャー」とでもいえる役職でしょうか。
 デシャトニコフ氏は、これまでにもボリショイ劇場と緊密な協力を行ってきました。デシャトニコフ氏が作曲したオペラが大きなスキャンダルを引き起こしたことはまだ記憶に新しいところです。議論を呼んだオペラ「ローゼンタールの子供たち」は、2005年に上演されたものですが、初演の際には、ボリショイ劇場の入り口に抗議デモの行列が作られたほどでした。また保守派議員たちの提案を受けて、議会でも上演を許可すべきかどうかで討論がなされました。現代作曲家に音楽を依頼したこの「ローゼンタールの子供たち」は、現代ロシア文学を代表するウラジーミル・ソローキンの書いた脚本で、中にはソ連時代の政治家たちの言説が批判的に引用されていたためです。しかし時とともにその熱はおさまり、ボリショイ劇場の「ローゼンタールの子供たち」はロシアの国家演劇賞「黄金のマスク」を受賞しました。
 デシャトニコフ氏は近くボリショイ劇場の依頼を受けて、バルザックの小説を下敷きにしたバレエ「失われた幻想」の音楽を作曲することになっています。デシャトニコフ氏は映画音楽作曲家の巨匠として知られています。たとえば映画「モスクワ」のサウンドトラックでは、第6回ボン国際ビエンナーレ「映画音楽」で最高賞を受賞しています。
 レオニード・デシャトニコフの創作のモットーは「ありふれたものの形を変える」というものです。そんなデシャトニコフ氏は、ボリショイ劇場の音楽監督として、劇場にも変化をもたらしたいと考えています。
 ―ボリショイ劇場をめぐっては、必要のない賛辞が多く、劇場があまりに崇拝されすぎている感があります。そのために、ボリショイはロシアでもっとも重要な国立劇場だからこうすべきだというような考え方が生まれているのです。大切なのは、ボリショイがヴェルディなど一般的に人気のあるオペラや新しい音楽なども演奏されるような普通の音楽劇場になるということです。
 デシャトニコフ氏はこのように語っています。レオニード・デシャトニコフ氏は「ボリショイ劇場にはこれまで劇場に足を運んだことのないような聴衆が訪れるようになるだろう」との確信を示しています。一般の人々にも親しみやすく、それでいて劇場通たちをがっかりさせない、そんな劇場作り。それが新たな音楽監督の課題となりそうです。
 9月29日放送「文化の世界」より

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