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10月12日、ニューヨークにあるロシア総領事館で、国際「リバティー」賞の授賞式が執り行われた。
ロシアとアメリカの文化交流への貢献に対して与えられるこの賞が、今年はモスクワにあるプーシキン美術館のイリーナ・アントーノワ館長に贈られた。
偉大な美術館の伝説的な館長と呼ばれるアントーノワ氏はすでに48年にわたって、プーシキン美術館の館長を勤めている。世界最大級のコレクションを誇るプーシキン美術館は、パリのルーヴル美術館、マドリードのプラド美術館、ニューヨークのメトロポリタンミュージアムと比較される。ほぼ半世紀にもわたって、これほどの美術館を管理していくというのは並大抵のことではないだろう。アントーノワ館長は次のように語っている―
「文字通り、高い価値のある宝物で埋め尽くされた館の責任者であるという気持ちは、絶え間ない緊張感を伴うもの。これほどの緊張感を持ち続けて生きるというのは苦しいことだが、気を抜くわけにはいかない」
今回の「リバティー」賞は、アメリカの主要な美術館との間で緊密な協力関係を打ちたてたことを評価されてのものだが、実際には、館長はもっと広い国際的権威を持つ、規模の大きな人物だ。アントーノワ館長の尽力の甲斐あって、プーシキン美術館は世界の美術館と積極的な協力を行っている。そしてその結果ははっきりとした形で現れている。モスクワではレベルの高い美術展が定期的に開かれ、一方で、外国で開かれるプーシキン美術館展では、各国の絵画ファンに素晴らしいコレクションが紹介されている。ロシアの有名な音楽家のひとり、ユーリー・バシュメットさんは「こうした交流の中で大きな意味を持っているのが、アントーノワ館長の持つ個人的資質だ」と指摘する。バシュメットさんは、アントーノワ館長のイニシアチヴで30年あまりにわたって続いている国際芸術祭「12月の夕べ」の企画・主催で、アントーノワ館長と協力を行っている。バシュメット氏は次のように語っている―
「アントーノワ館長は何事にも熱狂できるタイプの人。自分の仕事を心から愛しているのが伝わってくる。誰も彼女にはノーと言えないだろう。彼女なら、ルーヴルだろうと、どこだろうと、どんな相手とも合意を結ぶことができる」
イリーナ・アントーノワ館長の国際的な権威の理由は、驚異的な博識にある。彼女の知識には、特定の芸術ジャンルに詳しい専門家でさえも驚かされるという。会議や交渉でアントーノワ館長に随行したというモスクワの舞台美術家ボリス・メッセレル氏は次のように語っている―
「協議や交渉の席でのアントーノワ館長の素晴らしい話を聞いていると、ロシア文化、そしてロシアという国に対する誇りが沸いてくる。彼女は優れたロシア語を駆使して、自信に満ちた威厳ある語り口で交渉を進めることができる」
アントーノワ館長は、これまでにも数々の賞を受賞してきたが、今回の「リバティー」賞で、その褒章リストはまた少し長くなった。館長はこれまですでに「祖国功労賞」、「イタリア功労賞」、「フランス芸術文芸勲章コマンドール章」などを受章している。
聡明で、凛々しく、威厳と気品を備えたアントーノワ館長、ロシア文化を支える重要な人物のひとりだ。
2009年10月20日放送「文化の世界」
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