1945年9月2日、東京湾に停泊したミズーリ号で日本は連合国への降伏文書に調印し、ソ連を含む連合国側も承認した。国際法的な意味で大戦を正式に終結させた出来事である。今回ロシアは、この日を国内的にも「終戦の日」として正式に取り決めた形となる。
露日関係の事情に詳しい極東研究所のヴィクトル・パヴリャテンコ氏は、今回の制定について、国内外で広がる歴史歪曲の動きの観点から分析する。
「今回の制定は、単に日付とか出来事に対する歴史捏造に対するものではない。ソ連、米国、英国の連合国による協力の性質、当時の行動についての歴史が歪曲されることに対抗したものだ。
現在、世界の再分割を目指すような試みがなされている。そのため、政治的にも、社会的にも、真実の歪曲・捏造に対する行動を活性化する決定がとられた。ロシアの決定は自国のみならず、大戦に関わった他の多くの国の国益を主張するものだ。
真実に基づくという点では、現在多くの国の学者が開戦の日についても問題提起している。彼らは日本が中国に侵攻した37年を開戦の年と考えている。ここにも歴史的真実がある。
とはいっても、日本に対して軍国主義の過去を想起させるのがロシアの目指すところではない。ソ連がほかの連合国と成し遂げた大戦の最終的な結果というものについて、原則的に立場を主張しているだけだ。」
とはいえ日本側は遺憾の意を表している。岡田克也外相は27日の会見で、法制定について「現在の露日関係に相ふさわしいものではない」と述べ、今後の関係に悪い影響を与えないよう対処を求めた。一方で岡田氏自身、またこれに先立ち会見した武正幸一副大臣も、法律に日本への言及がない点などを理由に、「日本側に一定の配慮がある」との認識も示した。 パヴリャテンコ氏は続ける。
「日本側の最初の反応は十分に肯定的なものだった。ロシアが制定に際し、非常に繊細に、慎重にアプローチした点について、複数の当局者が満足の意を表した。終戦の日はロシア国民全体にとって祝うにあたる正当な記念日であり、歴史的な真実を明らかにするものだ。一方で日本の過去には言及せず、日本に対し最大限過去を思い起こさせないようにもした。
日本の右派メディアは、ロシアによる歴史改変という従来どおりの文脈からコメントを出し始めている。一方で西側での反応は全体として肯定的であり、あからさまな反対は全くみられない。これはロシアの国内問題であり、国内問題に対しロシアは正しいあるいは必要と考えたことを行動に移す権利を有している。」
国内問題との立脚が国際的な反響を呼ぶこともある。日本の国会は昨年、いわゆる北方領土特措法を改正し、南クリル諸島(北方四島)が「日本固有の領土」との表現を初めて盛り込んだ。当時外務省は「固有の領土」との表現がロシアとの領土交渉における立場に影響することはないと説明した。さらに議員立法であり、政府の見解とは異なるとの説明さえしていた。ところが政府も閣僚発言や国会への答弁書などで、四島が「ロシアが不法占拠した土地」との立場を明確にしてきた。
今年は対独戦勝65周年の節目であり、国内的な関心が強まっている。当然ながら極東での戦いを無視することは不可能だ。日本側の昨年の決定がロシアの法制定を促した可能性がある。対日戦勝の日は必要なくとも、歴史的事実である終戦の日に反対するのは不可能だ。
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