このような考えは、18日モスクワで行われた2011年を総括するラヴロフ外相の記者会見で明らかにされた。外相はそのなかで、ロシアの国内法の枠内で協力を進めることが可能だと強調し、10日後に行われる日本訪問の際に、玄葉光一郎外相と協議することを約束した。ロシアは日本のパートナーとなることを望んでおり、地域問題や軍事政治問題などの国際問題に共通のアプローチをとっていくことを期待している。
南クリル問題についてラヴロフ外相は、「第二次世界大戦の結果、完全に法的な根拠に基づいて我が国に編入されたものだ。これは国連憲章でも確認されており、我が国の主権は疑問をはさむ余地がなく、議論を待つまでもない。」と述べている。
平和条約の調印と国境画定について、双方に受け入れ可能な解決を模索することが重要であることを認めたうえで、ラヴロフ外相は「それは幻想や感情が許されるようなものではない。日本側は、一方的で歴史的に正しくない国際法解釈をやめなくてはならない。」と述べている。
露米関係についてラヴロフ外相は、新たな軍拡競争の瀬戸際にあるというような意見に反対の立場を示し、冷戦はすでに幕を下ろして久しく、ロシアと米国は敵同士ではないことを指摘している。またロシアは米国との対立につき進むつもりはない、とも述べている。しかし、米国の賢明な政治家もロシアとの対立を望まないだろう、とした上で、ロシアの国境付近にMD(ミサイル防衛)システムを構築する米国側の動機は理解困難だ、と指摘した。外相は、米国側が、MD交渉において、ロシアの妥当な懸念を考慮するよう期待を示している。
ラヴロフ外相は、米国が特に軍事的手段を使って、中東や北アフリカでのプロセスに介入していることについて、そのようなことをやめるよう警告している。ロシアは「リビア的シナリオ」を同じような状況で繰り返すことは受け入れられないことだとしており、第三国に一方的な制裁を課すことは、国連安全保障理事会の権威を傷つけるものだ、との意見を外相は繰り返し述べている。
ラヴロフ外相は、シリアでのいかなる勢力による暴力にも反対すると述べ、迅速に国内での和解対話を始めることを提案している。シリアでの在野反対派勢力に武器を提供することは非生産的かつ受け入れられないことであり、ロシアはシリアでの対立勢力双方の間での仲介役となる準備がある。しかし、国連安保理がシリアへの外部からの仲介を認めるような決定を行うことには反対する、としている。
ラヴロフ外相はまた、イランとの対話の可能性を最終的に失わせるような厳しい措置についても反対している。今のところ、イランは仲介役六者との交渉に準備があり、近くイラン安全保障会議の副書記がモスクワを訪問する予定だ。イランに軍事攻撃を加えることは大量の難民を生み、スンニ派対シーア派の対立を激化させることにより、危機的な状況につながり、その結果は予測不可能だ。
ラヴロフ外相は露中関係について、2012年両国でどのような指導者が政権に就こうと、関係は発展し続けると述べている。ロシアはBRICSおよびAPECの枠内での活動的な作業を通じて、アジア太平洋地域での自国の立場強化を継続する構えだ。またラヴロフ外相は、アジア太平洋諸国との間で、テクノロジーおよびイノベーション同盟を形成するつもりだと述べている。
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