米国はアジア太平洋地域での軍事プレゼンスを拡大する意向だ。それはまず、フィリピンから始まるだろう。スービック・ベイ基地への米海軍配備、フィリピン領内での米軍展開、合同軍事演習の頻度拡大…こうしたテーマが、26・27両日ワシントンでの米・フィリピン協議で話し合われた。
フィリピンは、2週間前にオバマ大統領が公表した新しい軍事戦略が試される、おそらく最初の国になるだろう。ロシアの軍事専門家、ワジム・コジュリン氏は、そう捉えている―
「これはまだ、アジア太平洋地域における米国の抜本的な軍事プレゼンス拡大ではない。 示威的な拡大とも言うべきものだ。なぜなら他の地域では、米国の軍事プレゼンスは縮小しているからだ。 米国がアジア太平洋地域において東南アジアから自国の軍事プレゼンス拡大を開始しようとしている事は、この地域に特別の注意が割かれている事を物語っている。ここには、新たなグローバルな諸矛盾の基本的なポイントが集中している。」
20年前フィリピンは、米軍に対し、太平洋地域最大の基地、つまりスービック・ベイからの撤退を求めたが、今回ここに又米軍が戻ってくる可能性も排除できない。 新聞「ワシントン・ポスト」は、これに関連して「中国を狙い撃ちにした一連の戦略的措置の一環だ」と指摘している。この場所を、両国の船舶やタンカーが通過するからだ。ここをコントロール下に置く事は、この地域を支配する事も意味する。
この南シナ海にあるスプラトリー諸島は、中国と米国の利益が交差する場所に当たっている。この島々を巡っては、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが中国と領有権を争っている。 おそらくフィリピンは、南シナ海における中国の領土要求に対しバランスをとるため、自国領内に米軍の常時駐留を認める用意のある、最初の国となるだろう。 これに関連して「ワシントン・ポスト」は、米国がベトナムとの軍事コンタクトを活発化した事に注意を促している。 もっとも上院外交委員会東アジア・太平洋小委員会委員長を務めるジム・ウェッブ上院議員は「ベトナムに近い将来、米軍基地が置かれるとは思わない」と述べている。
昨年11月、米国はオーストラリアとの間で、ダーヴィンのティンダル空軍基地の海兵隊員数を増やす事で合意した。この基地には又、戦略爆撃機、戦闘機、燃料補給機なども配備されることになる。これに先立ち、シンガポールとの間でも、米海軍基地に関する合意が達成された。
VOR記者は、この地域で増大する中国の軍事的野望に対し、抑止力を求める近隣国の反応について、軍事専門家コジュリン氏に再び、意見を聞いた―
「中国経済の発展とともに、巨大な軍事力が出現した。米国は、ここに、この地域における自国の利益及び平和に対する重大な脅威を見ており、それを撃退する用意がある。フィリピンに出現する米軍基地も、その用意を物語るものだ。」
あらゆる事から判断して、軍事プレゼンス強化に向けた、この地域における米軍の次なる措置となるのは、日本及び韓国における新たな戦闘機の配備だろう。 米国は又、朝鮮半島南部に新型無人偵察機を配備する意向だ。
中国が、こうした米国の新軍事戦略にどういった対応を示すのか? 周辺国は、注意深く見守っている。
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