2012 4月 12 , 13:55

ロシアと日本 ベトナムで対立から協力へ

ロシアと日本 ベトナムで対立から協力へ

   世界の原発建設市場で対立するロシアと日本だが、ベトナムはそれを協力パートナーへと変えてしまうかもしれない。5月初め、ロシアと日本の間には原子力の平和利用に関する協力合意が発効する。この合意では第三国での共同プロジェクトの実施が規定されているのだ。

   日本は現在、国内市場における「原発ストップ」の影響で、海外市場に重点を移している。これは原発発展で野心的な目標を目指しているベトナムに関しても同様だ。つまり、ベトナムは2030年までに13基の原子炉を建設する計画で、そのうち2基は2020年から2021年を目安にロシア、さらに2基は2021年から2022年を目安に日本によって、それぞれ建設されるのだ。

   ロシアは現在、建設候補地の選定の最終段階にあり、日本はビジネス調査を行っている。

   エネルギー安全センターのアントン・フロプコフ・センター長は、ベトナムでの原発市場が、ロシアと日本にとって、2つの分野における協力の可能性を開くものだと考えている。

   ―ベトナムには原発建設および利用の経験がなく、人材も限られていることを考慮すれば、ロシアと日本は、ベトナムの専門家育成で協力することが出来るでしょう。なぜなら両国は  この分野で豊かな経験を持っているからです。そのほか、ベトナムは原子力の平和利用を進めていくために法律などの整備を行わなくてはなりません。この分野においても、ロシアと日本の経験を考慮しないわけには行かないでしょう。

   ロシアと日本の原子力産業は、ベトナムでは複雑な関係を歩んできた。ロスアトムがベトナムに進出したのは2009年で、当時、ベトナム市場は日本のものだった。ベトナム政府の決定や、ロスアトムからの辛抱強い働きかけなどがあったおかげで、2010年10月、ロシアとベトナムは最初の原発建設に関する合意に調印した。建設候補地としてベトナムは、2006年日本側によって選ばれていた6箇所をロスアトムに提案した。しかし、日本の安全基準よりも厳しいロシアの基準に沿うものではなかった。たとえば、7基の原子炉をもつ柏崎刈羽原発は、地震活動の盛んな場所に建設された。2007年の地震には耐えたものの、周囲のインフラは大きな損害を受けた。その結果、この世界で最も大きく、費用の高い柏崎刈羽原発は今現在まで、試験稼動状態だ。

   ベトナムにおける日本の権威には大きなものがあったため、長い間、そのような事実はベトナムで考慮されなかった。しかし2011年3月の福島原発での事故が起こり、またIAEA(国際原子力機関)がロシアの安全基準の長所を認めて以降、ロシアはやっとベトナムでも認められるようになった。ロスアトムのエンジニア活動を率いるセルゲイ・ボヤルキン局長は、いまでは日本人もベトナムでの原発建設でロシアの意見を聞くようになったと指摘している。

   ベトナムでの原発建設は、マレーシア、インドネシア、タイからも注目されている。つまり、ベトナムで勝利を収めたものが、東南アジア市場への鍵を握ることとなるといえるだろう。

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