2013.06.20 , 15:38

ロシアのインターネットから「変態」が追い出される

ロシアのインターネットから「変態」が追い出される

   ロシア連邦通信・IT・マスコミ監督局は、何度も調査を行った結果、変態ジャンルの日本のアニメを児童ポルノとして認定した。

   事の始まりは、ロシア連邦通信・IT・マスコミ監督局のホットラインに、ロシアのソーシャルネットワーキングサービスに投稿された日本の変態アニメに関する苦情が相次いで寄せられたことから始まった。ネットワークセキュリティー協会の専門家センターは、それらのアニメを評価し、アニメに違法な内容が含まれていないかを調べるため、総合調査を実施した。専門家たちは3つの問いに答えなければならなかった。1つ目は、アニメにポルノ的性格を持つ情報が含まれているか。2つ目は、アニメの登場人物の年齢。3つ目は、閲覧の制限などが実施されているのかについてだった。調査の結果、ロシアのソーシャルネットワーキングサービスに貼り付けられたウェブサイトのアドレス16個のうち13個の作品に、14-18歳を描写したポルノが含まれていたとの結論に達した。また、閲覧などの制限は見つからなかった。専門家たちは、変態アニメには芸術的、文化的価値はないとの判断を下した。

   ソーシャルネットワーキングサービス「VKontakte」に掲載された13のアニメは、今週中にも閲覧禁止ブラックリストに登録される予定。ネットワークセキュリティー協会のデニス・ダヴィドフ会長は、このようなアニメは害を及ぼすだけであり、そのようなアニメをみているのは、主にサイコパス(精神病質者)だとの考えを表し、次のように語っている。

   「これは、子供に対する性的虐待に関する内容や描写のあるアニメ・ジャンルを禁止するということだ。専門家たちは、このような種類のアニメによって、作品の中で描かれている行動が反社会的であることを理解しない人々が増えていると指摘している。これに関連して、子供に対する性犯罪も増加している。ロシアでは、性的暴行事件の2件に1件が、未成年者に対するものだという残念な統計もある。このようなアニメは、その影響を拡大させている。そのため、このようなアニメは閲覧禁止サイトのリストに登録されるべきだ。私たちは日本の専門家と相談した。日本の専門家たちも、この問題の存在を認めた。だが、アニメの製作過程では実際に子供に対する暴行は行われていないため、これは児童ポルノや法律違反としては認められていないという。私には、日本で子供に対する性犯罪、またそのようなアニメによる影響について調査が行われているのかはわからない。」

   アニメの影響で、大人が犯罪を犯すとは考え難い。だが、未成年者にはその可能性がある。もちろん変態は、意図的なエロティシズムを基盤としたアニメであり、日本文化が生み出したものだ。日本文化は、道徳的基準などでロシア文化とは異なっている。「変態」はその誕生以来、子供や大人に一義的に理解されるものではないものの、独特の価値を持つ、れっきとしたジャンルとなった。ロシアでは、日本のアニメファンが増えている。日本のアニメが、子供や未成年者の心理にどのように影響するかは予想不可能だ。これについて児童心理司のイリーナ・マケエワ氏は、次のように語っている。

   「子供にはそれぞれの年齢ごとに課題がある。子供は、年齢の発達に応じた情報を得なければならない。児童心理は非常に敏感で、テレビやインターネットでみた映画が、その子供の行動基準になる場合もある。その意味において『変態』は、大きな悪影響を与える恐れがあるが、そこでは子供たちの親が極めて重要な役割を担っている。親は、子供たちが接触するものについて説明することができる。おそらく子供にとって、特に官能的で性的性格を持つ情報について質問できる人は親以外にいないだろう。いくつかのコンテンツは、「攻撃性を植え付ける」ため、子供だけでなく大人にとっても危険だ。子供はその結果、周囲の環境を攻撃的なものとして受け止めるようになる。」

   ロシアの日本アニメファンは、ロシア連邦通信・IT・マスコミ監督局とネットワークセキュリティー協会の決定に対して様々な反応を示した。雑誌「アニメ・ガイド」の元編集長で、現在はサイト「オタク」の編集長を務めているワレリー・コルネエフさんは、次のような見解を表している。

「『変態』が社会に与える悪影響や危険性は誇張されているように思える。児童ポルノは許しがたく、とんでもないものであり、もちろん人間性に対する罪だ。だが、世界では大多数の国で、アニメなどの描写ではなく、撮影で実際に子供に対してわいせつな行為が行われるという理由で、児童ポルノが禁止されている。児童ポルノには犠牲者がおり、これは疑いなく犯罪だ。だが、『変態』は描かれたものであり、原則的に別物だ。『変態』が製作される過程で苦しむ人は誰もおらず、犯罪の事実もない。そのため、私の視点から見て、『変態』を児童ポルノとするのは、ナンセンスだ。『変態』に熱中することで、『未成年者を暴行する恐れを持った子供になる』とする主張は、なんの説得力のある根拠も持っていない。日本の性犯罪の統計をみるならば、最近50年間でその数は激減している。またそれと同時に、『変態』の市場は爆発的な勢いで成長している。加えて今の時代、禁止措置を潜り抜けるのは特に難しくはない。」

   ロシア連邦通信・IT・マスコミ監督局は、政令によって2012年10月に発効された有害情報から児童を保護する法律に従い、児童ポルノを含むウェブサイトやウェブページをブラックリストに登録する決定を承認する。ロシアの全てのプロバイダーは、それらへのアクセスを遮断しなければならない。

   一方で、変態ジャンルの中で実際に児童ポルノを含んでいるのは全体の30パーセント未満。残りの70パーセントは被害をこうむることになる。

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